感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
キャメルズボン
2
源氏物語を意識した人物造形や描写が多いが、光源氏の系譜の主人公狭衣がかなりのクズで笑ってしまう。光源氏はあれでも務めは果たすし実に義理堅い男だったのだなとしみじみしてしまうほどこの狭衣は情けない。今の所関係した女性を二人共大変不幸にしているがこの上更に別の女性を不幸にするらしい。2021/10/21
たかとう
0
同じモテ男の恋愛遍歴物語ではあるけれど、『源氏物語』よりもこちらのほうが文章が垢抜けた印象。「少年の春は惜しめどもとどまらぬものなりければ~」という冒頭文からしてぐっとくる。内容も宿命観とか人生観とか全体的に物悲しさが漂って好みだった。それにしても狭衣の中将は、モテるわりに報われないなあ。2012/11/12