内容説明
中国東北部、沿海州、朝鮮半島北部を版図に、2世紀以上、東アジアに君臨しながら、長く世界史の謎とされてきた「海東の盛国」。平安京の毛皮ブーム、菅原道真らによる宮廷外交など、多彩なエピソードをまじえつつ、渤海国の実像に迫る。
目次
プロローグ 知られざる東アジアの古代王国
第1章 渤海国の素描
第2章 渤海国からの使者
第3章 毛皮と繊維の交易
第4章 華麗なる宮廷外交の展開
第5章 船は季節風に乗って
第6章 急がばまわれの渤海路
エピローグ 謎の国渤海―その謎解きは今日から始まる
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ゲオルギオ・ハーン
26
講談社現代新書から出たとは思えないほどちょっと雑な本。著者は高校教師を経て、学芸員になった方で、著者なりに渤海国を調べているようです。基本的に先行研究をあまり読まない(本書内で先行研究や仮説を小馬鹿にしている態度も良くない)で思い込みで考察している部分が多い。例えば、渤海国からの船は大破覚悟の片道運航で帰る時は日本に船を建造してもらって帰っていたというのは日本側の負担が大きすぎる気がするが。また、著者の知っている雑学を入れ込みすぎて読みづらいのも難点。2022/04/30
naoto
4
渤海って聞いたことはあるけど全然わからないので、読んでみた。満州…女真族の地域、高句麗のあたりにあったというのも初めてだったし、対新羅で軍事同盟をしようとしてたってのも初耳。知らないことはいっぱいあるな。2013/01/17
hr
3
学生の時に買って読んで、それ以来読んでいないにも関わらず、数度に渡る蔵書のスリム化に耐え抜いた本。渤海国に関する本をこれしか持っていないため、手元に置いておくことで、同国に意識を向けるつもりだったのかも知れない。近頃、中国北方の歴史を面白く感じ始めたので、再読した。時折挟まれる単なる感想のような箇所に目を向けなければ、渤海国と日本の交渉や交流にイメージを持たせてくれる良書だと思う。その後の渤海国の研究はどんな経路を辿っているのだろう。2017/05/07
yuki
1
平安時代の外交が少し見えて来ました。2016/09/28
suzuki-takefumi
1
あちこち読んだ記憶のある記述があったが「マイナーな分野だし、作者が同じなんだろう」と思っていたら、以前読んだ本の旧版だったらしい。そりゃ読んだ記憶もあるわけだ。渤海については、類書が少ないんだなあ。2011/11/14