内容説明
名探偵ホームズはどこに生まれ今どこにいるのか。コカインを愛し、独身主義を通し、独特の犯罪美学を持つ偏屈探偵。絶頂期ロンドンに舞台を得たホームズの素顔を解読。
目次
１ ホームズは生きている
２ ヴィクトリア時代のロンドン
３ 私立諮問探偵ホームズの登場
４ ホームズとワトソンの生活
５ 大英帝国の警察制度とスコットランド・ヤード
６ ホームズとワトソンの活躍
７ 宿命の対決―ラインヘンバッハの滝
８ ホームズの前に現れた女性
９ ホームズの生みの親、コナン・ドイル
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Musa(ムサ)
10
ミステリ小説の傑作「シャーロックホームズ」シリーズを、ホームズの経歴から、取り巻く人々、作品の舞台である当時の英国、そして作者ドイルといった色々な観点から解説した一冊。本書の中でホームズをあたかも実在の人物のように扱った書き方をしているのも面白いです。2023/07/02
Ecriture
8
英国史が詳しく載っているホームズ本。ヴィクトリア朝の帝国主義的拡張政策に基づく物質的繁栄を享受した英国にあって、10人中9人が貧しさに喘ぎ、大人も裸足で歩いていた19世紀末ロンドン。貧富の差は厳しい階級社会制や運命論、キリスト教的道徳観が根付いていたことや罪への罰則の強化によって反発を軽減されていた。1877年インド併合、1879年英仏のエジプト支配、1880年ボーアの反乱、1885年英独のニューギニア併合などがホームズシリーズ（「まだらの紐」等）にもたらした影響を考察するなど見どころは多い。2013/10/26
giraffer SACHIヽ(*^^*)ノ少しずつですが毎日読んでます!
5
シャーロック・ホームズの背景とヴィクトリア時代の様子を知りたくて。2014/10/25
kinupon
4
これを読み、ドラマを見る・・・違ったホームズ像が見えてくる。2013/10/08
ぽま
3
正典譚に対する概略書。軽く読めるため、内容を一通り思い出すのに利用するのにも良い。加えて、ホームズ研究の導入として使用するのも有りか。また、章によっては内容の半分以上が英国文化史の説明に割かれているため、正典の背景知識を学ぶ上でも役立つと思われる。ヴィクトリア期だけでなく“現代”イギリスにも言及している点はあるものの、その場合、本書の発行年は1989年である点には要注意。2012/03/06
