出版社内容情報
本土決戦にそなえた松代大本営地下壕，「集団自決」が行われた沖縄のチビチリガマ，毒ガス製造の大久野島…．戦後50数年を経て，いまなお戦争の実相を語りつづける遺跡の数かず．総合学習にも活用できる最適のガイドブック．
内容説明
本土決戦にそなえて掘られた松代地下大本営地下壕、「集団自決」が行われた沖縄のチビチリガマ、毒ガス製造の大久野島…。戦後五十数年を経て、いまなお戦争の実相を語りつづける遺跡の数かず。全国各地に点在する戦争遺跡のなかから５０ヵ所を厳選。総合学習にも活用できる最適のガイドブック。
目次
プロローグ―戦争の傷跡に学び、旅立つ若者たち
１ いま、戦争遺跡が語りかける
２ きみの街にも戦争遺跡がある
３ 戦争遺跡を訪ねる（地下壕は語りかける；沖縄戦と民衆；秘密に進められた兵器開発；原爆と空襲 ほか）
４ 戦争遺跡の学びかた
エピローグ―「戦争の世紀」を繰り返さないために
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
おせきはん
8
50か所の戦争遺跡が紹介されています。地下壕の中に軍需工場として使われていたところがあったのは初めて知りました。また、身近なところに戦争遺跡があったことも驚きでした。全都道府県が空襲を受け、全国に戦争遺跡があることから、戦争が多くの人々に影響を与えていたことを再認識しました。戦争遺跡が経年劣化する中、戦争遺跡をどのように保存・活用するかは、戦争体験者がいらっしゃる間に対処しなければならない課題だと思いました。2017/10/24
ブルーツ・リー
6
終戦の日という事もあり、戦争関連の本を読書。 かなり、全国に戦争の遺跡、残っているものだな、と思ったけれど、でもよくよく考えてみれば、ほんの７５年前の出来事なのだから、むしろ遺跡はもっと沢山残っていてもおかしくないはず。かなり、戦争が終わってから短期間のうちに、「消された」遺跡は多いのではないかと思われた。 ともかくも、残された遺跡にも、なかなか人が入りづらい感じなのが残念ではある。 もっと戦争の負の遺産に触れやすい環境があってもいいのかも。 せめて、広島長崎、沖縄辺りにはどんどん行ってみたい。2020/08/15
hr
4
「戦争遺跡」の意義と実態を、50ヶ所の遺跡を通して語る本。地図がありがたい。日本の文化財保護法は、1995年まで戦争遺跡を保護の対象にしていなかったそうだ。「明治維新まで」と時期を区切り、また戦跡は対象にしない方針だったとのこと。城跡だって戦跡だろうに…。広島原爆ドームの世界遺産登録の動きで、やっと戦争遺跡を文化財として見る気運が生まれた。1995年と言えば村山内閣の頃。今の政治が戦争遺跡をどう見るか、考えるのも怖い。それにしても、岩波ジュニア新書は相変わらず大きな仕事をしてくれる。2017/02/08
teitowoaruku
1
全国の様々な戦争遺跡が紹介されていて勉強になった。驚いたのは、少なくない数の戦争遺跡が高校生によって発見されたり、研究されたということ。自分もそういう研究をする高校時代を送ってみたかったなあと思った。2021/10/17
tecchan
1
全国各地の戦争遺跡を紹介。ジュニア向けの書籍であり説明もわかりやすい。戦後70年を経過して、戦争体験者も数少なくなり、戦争の悲惨さを後世に伝えるために戦争遺跡の果たす役割は大きい。各地で遺跡を保存・活用しようとする動きは大きくはなってきてはいるが、住民に知らされずに破壊される遺跡も多い。我が町にも陸軍射爆場や地下工場跡があるが地域住民にはほとんど知られていない。2017/01/29
