出版社内容情報
虚弱体質で成績も悪く,「勝元」ならぬ「負元」といわれて劣等感にさいなまれた少年は,低学歴のハンディに悩みつつも文章の道を志す.生きることの意味と実感が薄い現代に,「東京大空襲」などで知られる著者が,自らの10代の体験とさまざまな人びととの出会いを通して,生きかたを学ぶ意味を若い人たちに問いかける渾身の1冊.
内容説明
「勝元」ならぬ「負元」と呼ばれて劣等感にさいなまれた少年は、貧困と戦後の混乱の中で、低学歴のハンディに悩みつつも文章の道を志す。生きることの意味と実感が薄い現代に、「東京大空襲」などで知られる著者が、自らの十代の体験とさまざまな人びととの出会いを通して、生きかたと学ぶ意味を若い人たちに問いかける。
目次
問題提起(人はなんのために学ぶのか?;生きるとはどういうことか?;地球社会の明日になにができるか?)
私の体験(焼け跡・闇市からの旅立ち;自由を求めて荒野を目指す;朝鮮戦争で自分史にとりくむ;町工場を転々、悩みつつ迷いつつ)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
へくとぱすかる
20
著者は、戦後の貧困にあえぐ中でも思いをはせて、学ぶ意味、生きる意味を、壮絶といえる生活の中で考えてきた。それが今に至っても、一見平和に見える日本で、貧困から餓死する人々が続出するなど、「平和的生存権」が空文化していることをこの小著で必死に訴えている。なぜか平和もなにもかも他人任せで、自分から得ようとしない現代人。自分もそんなひとりとして、まず自分のまわりをきちんと見ることから始めたい。2014/02/18
ustam7
2
いじめや自殺といった社会事件と、アンネ・フランクやアウンサン・スーチーのエピソードを対比させることで現代社会が利己主義に傾倒しすぎていることを指摘し、モラルの重要性を主張している。またそこから、筆者の戦時の経験も交えて平和の尊さを強く訴えている。 理想だとあきらめるのではなく、それを実現しようと努力することが生きることであり、学ぶ理由でもあるのではないかと感じた。 2011/08/28
はらいた
0
戦争体験者にしか書けない 自殺した少女たちとアンネ・フランクの年齢が同じだったことが印象に残った なんのために生きているのか、考えさせられる 強い人とは どうやって生きるか 考えることはたくさんある 2023/04/15