出版社内容情報
負の数どうしをかけるとなぜ正の数になるんだろうか.123…という自然数が何を意味しているかをいま一度考え直すことから始めて,小数・分数から無理数・複素数にいたる数の世界の広がりの必然性を物語る.
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
へくとぱすかる
53
√2の無理数性は、おなじみの背理法で証明されるが、「既約分数である」との前提に違和感を覚える人は、かなりいるような気がする。本書はその点も説明して、さらに背理法自体の妥当性にまで踏み込んでいる。数の起源については、歴史的に、どうやって数に気づいていったかについて、すでに数を知っている私たちは、論点先取のミスをやりがちな点も指摘する。中学生向きの本とはいえ、数学の基礎(初歩ではない)に食い込む現代的な内容。数論の最新情報とは関わらないので、かえって今読んでも通用する内容だろう。2019/11/24
なにがし
2
数とは何ぞ、というところから、足し算引き算とは、掛け算とは・・と今まで至極当然としてきた計算の意味を再確認できた。架空の3人(先生と三郎くん、明子ちゃん)が対話する形式で描かれており、読みやすかった。2013/02/13
hyoshiok
1
中学生向けに数とは何かを説明した本。中学生にもわかるように書いたということでは「虚数の情緒」だが230ページ強の本書も虚数まで到達している。実際に中学生に読んでもらって感想を得たそうだ。図書館で借りた。2018/02/05