内容説明
現生人類はアフリカで生まれた。一度は絶滅しかかったわれわれの祖先は、やがてアフリカを旅立つ。だがその旅立ちはたった一度しか成功しなかったという。なぜか?そしてアジアへ、オーストラリアへ、ヨーロッパへ、アメリカへ。人類は驚くべき速度で世界各地へ拡がっていった。気候の激変、火山の大噴火、海水面の大変動、さまざまな危機を乗り越えて―一体いかにして、どの道を通って、われわれは今ここにいるのか?その足跡はいかなる形でわれわれに受け継がれているのか?遺伝子に刻まれた人類の壮大な歴史を読み解き、化石記録と気候学からその足どりを追う!人類史の常識を覆す画期的な書。
目次
第1章 出アフリカ
第2章 現生人類はいつ生まれたのか
第3章 二種類のヨーロッパ人
第4章 アジア、オーストラリアへの最初の一歩
第5章 アジア人の起源を求めて
第6章 大氷結
第7章 だれがアメリカへ渡ったか
著者等紹介
オッペンハイマー,スティーヴン[オッペンハイマー,スティーヴン][Oppenheimer,Stephen]
オクスフォード大学人間科学研究所リサーチ・アソシエイト。DNA研究を考古学や気候学などの知見と結びつけ、古代の移動を跡づける研究で世界に知られる
仲村明子[ナカムラアキコ]
英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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こぽぞう☆
16
図書館本。遺伝学をそこそこ学んだ私にはそれほど難しくないのだが、何しろ詳しすぎる。エピローグだけで良かったかも。2017/08/14
はみ
5
なんていうか……遺伝子ってすごいですね。読みやすかったのですが、多分私はこの本をあまり理解できていないと思います。わたしの頭には難しい本でした。それでも色んなことを知ることが出来て面白かったです。あと、これを読んで特に思った事は、ヨーロッパの白人さんは自分たちのことを、他のアフリカ人やアジア人よりも優れた人間と思っているんだなと感じました(著者はそんなかんじではないんですが)。2015/05/26
オズ
4
何度も地球に訪れている厳しい寒冷期は動植物や人類に大きな影響を与えている。寒さがつのるのと同時進行で乾燥も進み現代よりも広い地域が砂漠化した。大陸が厚い氷に覆われ居住可能な地域も狭くなる一方で、海水面の下降により沿岸部や島嶼部では新しい大地が姿を見せる。 主なところでは「出アフリカ」がどんなルートを辿ったかを考察する。 遺伝的な家系図と言えなくもない遺伝子系統樹をたどる。2023/03/23
がんもどき
2
人類の祖先が、アフリカからアラビア半島、インドを経て中央アジア、東南、東アジア、ベーリング陸橋を渡って南北アメリカへ移動したとする説が書かれている。女系の素質を遺伝させたミトコンドリアDNAと男系の素質を遺伝させたY遺伝子を使って立てられた説は難しいが面白い見方だと思う。著者が言うように、この説を裏付ける証拠が乏しいのは残念だが、いずれ時間が経てば出てくるのではないだろうか?2021/08/15
門の翼さん
2
人類が世界中に伝播するまでの、壮大な物語。確固とした証拠をもとに理論が展開されるため、納得できるものになっていると思います。一読しただけでは、完全に理解するのは難しい…。思索にふけることのできる本だと思いましたので、また読み返したいです。2015/06/10