平凡社新書<br> グローバリゼーションとは何か―液状化する世界を読み解く

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平凡社新書
グローバリゼーションとは何か―液状化する世界を読み解く

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  • サイズ 新書判/ページ数 204p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784582851502
  • NDC分類 333.6
  • Cコード C0230

内容説明

一九七〇年代以降、近代世界は新しい世界秩序への解体と統合の時代に入った。国民国家に編成されてきた資本と労働と商品は、国境を越え、ジェンダーや家族の枠組みを壊し、文化と政治・経済の領域性や時空間の制約すら越境し、新たな貧富の格差の分断線を引き始めている。あらゆる領域を越え、社会の再編を迫るグローバル資本。その新たな世界経済の編成原理とは何か。

目次

はじめに(時代を切り取るキーワード;二〇世紀という時代 ほか)
第1章 グローバリゼーションの課題は何か(用語としてのグローバリゼーション;「インターナショナル」から「グローバル」へ ほか)
第2章 時代としてのグローバリゼーション―空間と時間(グローバリゼーションのタイムスパン;グローバル―近代のメダルの表と裏 ほか)
第3章 グローバリゼーションをマッピングする(グローバリゼーションの場と対抗;グローバリゼーションを具体化する「場」 ほか)
第4章 グローバル資本の世界経済秩序―資本のフレキシビリティの回復(転換期としての一九六〇年代;多国籍企業の台頭 ほか)
第5章 グローバル化の脱統合と再統合(排除による新しい貧困;グローバル化によるローカルな空間の崩壊 ほか)

著者等紹介

伊予谷登士翁[イヨタニトシオ]
1947年京都府生まれ。京都大学大学院経済学研究科博士課程単位取得退学。東京外国語大学外国語学部教授(国際経済論担当)を経て、一橋大学大学院社会学研究科教授(越境移動論)。現在の研究領域は、移民研究、グローバリゼーション研究
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

KAZOO

91
最近でこそこの言葉も違和感が亡くなりましtが、昔は国際化という言葉で表されていました。皆さんも書かれていますがグローバル化かとナショナリズムというのは相反すると同時にお互い補い合うような感じがします。日本などはその最たるもので、韓国も同じような動きが見られます。グローバル化すると、貧富の差や格差も同時に拡大していくような気もします。この本は小冊子ながら問題点をかなり提起してくれています。2016/01/05

Kentaro

28
グローバリゼーションの表現として、しばしば取り上げられるマクドナルド化、デジタル化やIT革命などは現代における資本のグローバルな展開の姿だ。しかしグローバリゼーションは、地球全体を包摂したひとつの社会や文化、あるいは、単一の権力を表すものではない。グローバル資本の形態は多様だ。巨大多国籍企業、24時間の国際金融企業、巨大メディアと情報産業、軍需産業、娯楽産業など、国境を越えて、世界市場を主戦上にして活動する企業体がグローバル企業として活動する。ITが時間と距離を取り払い貢献してきたことは間違いなさそうだ。2019/06/20

白義

17
グローバリゼーションは世界を一つに結び付け、統合していくだけでなく、例えばその反対のナショナリズムを呼び覚ます両義的な側面を持っている。そうした近代世界の解体と統合を進める原理としてのグローバリゼーションは、現代に至り、国際資本を活用する多国籍企業の台頭により新たなステージに移行しつつある。誰もが巻き込まれながら把握するには複雑なグローバリゼーションについて知る良質の入門書。政治、経済、文化までグローバル化社会の姿を捉えようとしていて短いがかなり濃密な一冊。近代入門としてもいい出来2015/04/15

寝落ち6段

10
十年以上前にグローバル化により格差が拡大することを指摘している。グローバリゼーションというのは、世界への均質的な広がりである。例えば情報や交通など大変便利なことがある側面とローカルが飲み込まれてしまい格差が拡大するという側面がある。それに近年ではダイバーシティ(多様性)という均質化とは異なる状態を認め合うことが主流になってきている。昨今のSDGsでは、誰一人置いていかないことが目標とされるが、我々個人個人が均質化する世界情勢を常々いろいろな角度から考察し、光と影を考えていかなければならないと思う。2021/08/23

シロクマぽよんぽ

4
国境を越えたヒト・モノ・文化の移動は、社会に何をもたらすのか。多国籍企業はどのように変移し、インフラ・賃金・家族・性はどう変化するのか。初版は2002年だが、本書の指摘は現代に通用する。GDP世界3位の国で暮らすのなら、どういう生き方を選択するにしても一読すべき一冊。反米イデオロギーがナショナリズムに変換されると、同じ現象にもかかわらずアメリカナイゼーションは批判され、ジャパナイゼーションは肯定される(対中国も同様)。その矛盾を我々は認識する必要がある。ただ経済を回していればいい、というわけではない。2022/08/14

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