大腸菌―進化のカギを握るミクロな生命体

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  • サイズ B6判/ページ数 333,/高さ 20cm
  • 商品コード 9784140814031
  • NDC分類 491.74
  • Cコード C0040

内容説明

ヒトが一生を通じて“おつきあい”する身近な存在でありながら、みんなに嫌われるばっちい細菌…。しかしその実態は、豊かな個性や生態をもち、進化のしくみをとくカギとなるユニークな生命体だった!数々の分野の研究者にノーベル賞をもたらし、古今東西の科学者たちを魅了しつづける大腸菌―エシェリキア・コリ。いままでの悪役イメージをくつがえす、科学と大腸菌の“愛”を描いたサイエンス書。

目次

1 生命の軌跡
2 E.コリにあてはまることは、ゾウにもあてはまる
3 細菌単体としてのシステム
4 自然界での社会生活
5 絶え間なく流れる生命の川
6 存続を賭けての戦略
7 進化のスピード
8 オープンソースの遺伝子マーケット
9 生命の起源にさかのぼる
10 生命を人工設計する
11 さて、地球外の生命は?

著者等紹介

ジンマー,カール[ジンマー,カール][Zimmer,Carl]
1966年米国ニュージャージー州生まれ。イェール大学卒。現在はフリーのサイエンス・ライター。『ニューヨーク・タイムズ』紙、『ナショナル・ジオグラフィック』『サイエンティフィック・アメリカン』『ディスカバー』『サイエンス』『ポピュラー・サイエンス』各誌に寄稿。1994年から98年まで『ディスカバー』誌のシニア編集者を務め、現在は同誌の寄稿編集者。2007年、サイエンスライティングによる啓蒙に貢献したとして、ナショナルアカデミー・コミュニケーション賞を受賞

矢野真千子[ヤノマチコ]
翻訳家。兵庫県生まれ(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

しゅわっち

17
とても面白く内容が濃かった。大腸菌e.コリを使用して生命の謎と解明方法を時系列に説明してくれる本です。この本で、DNAの役割への理解が深まった。そして、e.コリにあてはまることは象にもあてはまるとある。同じDNAを使い生命が育まれているので、納得ができる。そして、ウイルスのDNAが、利用されたり、利用したりと複雑さを感じた。今,e.コリを使用してアミノ酸をはじめたくさんのものが作られている。そういう関係者からすると遺伝子組み換え食品は問題なといこうことになるのだろう。2019/05/02

roughfractus02

6
大腸菌は生物学の大事な局面で大きな役割を果たす生物である。単純から複雑へと進化するとしたラマルク進化論と生存に優位なら変異するとした自然淘汰のダーウィン進化論の論争では、大腸菌での実験によってダーウィンに軍配を上げる。さらにワトソン/クリックが予想したDNAの二重螺旋構造もメセルソン/スタールが大腸菌で確認し、親から子への垂直方向の遺伝という考えにウィルスを介した水平方向の遺伝があると日本での赤痢研究が解明したのも大腸菌によってだった。さらにこの生物は、進化論を批判する神の創造説にも対抗する役割を果たす。2020/10/02

Uzundk

4
主役であるE・コリは30分で倍に増える。たった1つの菌が12時間で800万にも増えるとすれば日中食べ物を置いておくことがどれほど危険分かる。そんな身近な例から、RNAを編集しアミノ酸やタンパク質を作り出す工場、遺伝子組み換えという倫理的な嫌悪感を催す分野でも彼らは活躍している。20世紀には機械が人間の生活習慣を変えてしまったように、人間という生物上の定義そのものが改訂される日が来るのかも知れない。2015/06/22

GASHOW

4
アレルギー疾患の対策に大腸菌が見直されている。腸内フローラの研究もすすめられているが、ずっと前からEコリ菌は研究者にいろいろと教えてくれた。環境適応も皆殺しにあって残った1パーセントから持ち直すという。人は、Eコリをはじめとする大腸菌がなくてはいきてゆけないと言われるが、少しだけEコリに親近感がもてました。2015/05/14

yooou

4
☆☆☆☆★ 生物と無生物の境界線。我々に先立つRNAワールド。そして懐かしきジャック・モノー。大いに楽しめる一冊でした。2009/12/25

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