内容説明
本書は、湯川秀樹(一九〇七‐八一)が一九七四年に日本大学で三日間二時間ずつ行った講義を、忠実に記録したものである。高校生にも読めるようにした解説付き。
目次
素粒子の世界の奇妙さ
歴史から何を学ぶか?
創造の原点に帰る
最初は、実在感のなかったニュートン像
ニュートンの物質観
創造の内的動機
ハイゼンベルクが求めた普遍的法則
質点と剛体
回転の問題
ひずみと応力について〔ほか〕
著者等紹介
湯川秀樹[ユカワヒデキ]
1907年東京に生まれる。京都帝国大学卒業後、1932年京都大学講師、同33年阪大講師。1934年「中間子論」を発表、この業績により、1949年わが国初めてのノーベル賞(物理学賞)を受賞。1939年京都大学教授。核兵器廃絶を求める平和運動に大きな貢献をした。1981年没
小沼通二[コヌマミチジ]
1931年東京に生まれる。東京大学大学院修了後、東京大学助手、京都大学基礎物理学研究所助教授、慶應義塾大学教授、武蔵工業大学環境情報学部長。専門は素粒子論。日本物理学会会長、アジア太平洋物理学会連合会長、パグウォッシュ会議評議員など。慶應義塾大学・武蔵工業大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kochi
18
ドミトリートモキンス関連読書。1974年の理系院生向けの講義をおこしたもの。2日目ぐらいまでは、湯川さんのときおり混じる京都弁のおかげか、なんとかなったのだが、3日目になると高野文子さん状態にf^_^; (詳しくはドミキン参照)科学愛好家としては、物理学の終わりについての湯川先生の本書の締めの言葉「人間のやることには終わりがあるに決まっている。…素粒子のことはいずれわかるでしょうね。それより前に、嫌になるということがあるかもしれん(爆笑)」に、妙に納得。2017/08/23
Haruka Fukuhara
7
おもしろい。大型本で読みやすいつくり。他に「物理講義」という本も検索で見つけたけど関係性はどうなのだろう。2017/05/30
黒豆
5
今から40年前に行われた湯川博士による三日間の講義録、物理の教科書を読むのとは違い思考展開、他の物理学者との関係やその評価など博士の視点での意見が面白かった。当時この講義を受けてみたかった、理解は出来ないかもしれないが?2014/09/11
roughfractus02
4
本書は、著者の『物理講義』に高校生向けの解説を付し、本講義の7名の読書体験を収めて著者年譜と写真アルバムを付した大型本である。このような体裁になると『物理講義』では見えなかった聴講する大学院生と著者の距離が感じられる。ニュートン、ハイゼンベルク、シュレーディンガーの理論的背景に哲学的教養を指摘する著者もまた東洋思想にその発想の源を求めた。が、著者には、高度成長を遂げた産業社会にいる現代の学生が物理学を就職のための学問として捉えていると考え、思考の学として捉え直すために「創造の原点」を設定したように見える。2022/03/11
RuiRui
0
ざっくりと。2016/06/14