出版社内容情報
秋の落葉から冬の暖炉にかけてのフランスを,パリと地方の生活をおりまぜながら詩情豊かな文章と写真でつづる。シャルトル,アルザス,音楽会やタクシーのことなど。
内容説明
パリから地方へ四季折々の思いはめぐる。長い年月をかけて歩いたフランスをていねいに、誠実につづる。
目次
秋のはじまり
アルザス地方の葡萄畑
パリの十六区
オーヴェルニュ地方の秋
カフェのこと
パリの冬と暖炉
音楽会のこと
サン・ルイ島の小さな店
植物園と温室の夢〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェネツィア
391
かつて萩原朔太郎は「フランスへ行きたしと思へどもフランスはあまりに遠し」と歌った。今、私たちは例えば10:15成田発のエール・フランスに搭乗すれば、16:15にはもうドゴール空港に降り立つことができる。もっとも、お金とそれ相応の時間とは必要だが。それでも、フランスの四季折々を味わうことはなかなか容易ではない。饗庭氏は4、5月と9、10月がベストシーズンだと簡単に言うけれど。しかも、彼が旅したのは、それこそフランスのほとんど全土に及ぶ。果てしなく羨ましい境遇である。ああ、フランスに行きたい。 2021/05/03