出版社内容情報
「自分の立っている世界が、こんなにも美しい秘密に満たされている事実を、一人でも多くの方と共有できれば幸いだ。」(小川洋子)
「どこまで数学を築いたかは、人類の栄光みたいなものです。そういう意味では、すぐには役に立たないけれど、非常に価値のある知の結晶みたいなものです。」(藤原正彦)
「数学」と聞くと、ただ数式が羅列してあるだけで無機的なものだと感じている人が多いのでは?ところが一度知ってしまうとこれ程美しい学問はないのです……。
例えば、素数。すべての自然数の和は素数の積で表せるのに、その現れ方は非常に混沌として不規則である。しかし、その個数を示す式は、一行の式でピシッと表せる。混沌の中の美の秩序、それが数学の美しさだ。藤原氏は、数学は実験科学だと言う。数を弄んで、視覚化しながら初めて、そこに隠れる何らかの法則を発見できる。
本書は、自身が藤原氏との出会いによって数学の中に美しさを見出し、『博士の愛した数式』を執筆するに至った小川氏が、数や数式についての質問を投げかけ、藤原氏がそれに答える形で進んでいく。数学を食わず嫌いしている全ての人に興味と勇気を与えてくれる画期的一冊。
内容説明
「美しい数学ほど、後になって役に立つものだ」数学者は、はっきりと言い切る。想像力に裏打ちされた鋭い質問によって、作家は、美しさの核心に迫っていく。
目次
第1部 美しくなければ数学ではない(恋する数学者たちの集中力;数学は役に立たないから素晴らしい;俳句と日本人の美的感受性;永遠の真理のもつ美しさ;天才数学者の生まれる条件 ほか)
第2部 神様が隠している美しい秩序(三角数はエレガントな数字;数学は実験科学のようなもの;幾何と代数の奇妙な関係について;ヨーロッパ人とインド人の包容力;素数=混沌のなかの美の秩序 ほか)
著者等紹介
藤原正彦[フジワラマサヒコ]
1943年旧満州新京生まれ。数学者、エッセイスト。お茶の水女子大学理学部教授。米英の大学で教鞭をとった経験を持つ。数学者の論理的視点と日本文化を深く愛する情緒的観点による、独自の発言や作品で知られる
小川洋子[オガワヨウコ]
1962年岡山市生まれ。早稲田大学第一文学部文芸科卒業。88年「揚羽蝶が壊れる時」で海燕新人文学賞を受賞。91年「妊娠カレンダー」で第104回芥川賞を受賞
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感想・レビュー
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三代目 びあだいまおう
Aya Murakami
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buchipanda3
(C17H26O4)