内容説明
大化改新後の飛鳥に、すみれの花のにおいとともに黒眼がちの額田王が姿を現わし、大海人皇子を恋に陥れた。政争と愛憎が交錯する古代史の世界。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
さざなみ
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滋賀県竜王町に架かる雪野大橋の欄干両端には額田王と大海子皇子の像があり その下部にはこの有名な和歌も あかねさす 紫野行き 標野行き 野守はみずや 君が袖振る 紫草の にほへる妹を 憎くあらば 人妻ゆゑに われ恋ひめやも 先日、通りかかった時ゆっくりと鑑賞したところです。 この二人のことをもっと知りたく図書館で探したところこの本に出会えた次第です。 感想は、下巻読了後に・・・・ 2015/06/16
takachanalohaalways
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井上靖さんの額田王より人間味溢れる感じです。 遠い古代の人々を小説にする時、作者はどうやって人物像を作っていくのでしょうか。 大海人、額田、大海人と中大兄の母である女帝に好感が持てる描き方です。 中大兄は予想以上に権力に取り憑かれた冷たい人間として 描かれているように思えます。 相思相愛の額田と大海人の間に変化が起きそうです。 下巻を読むのが楽しです。 中学生時代に宝塚で上演された「あかねさす紫の花」の登場人物に当てはめながら読んでいます。2017/07/06