内容説明
八十八個の嘘と馬を味方に天下をひっくり返す大計略！ 極めつきの嘘の仕掛人・井上ひさしが腕によりをかけてくり広げる二転三転の華麗な嘘絵巻。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
そうたそ
33
★★★★☆ 馬の種付けを生業としていた八十八が、持ち前の法螺吹きで世を渡っていくという何とも痛快なエンタメ。調べてみると、「馬喰八十八」という昔話が岩手県の遠野に残っているようである。それをベースとしているであろうことは言わずもがなだが、勿論井上さんのことであるから、それを一回りも二回りも膨らませ、ユーモア、薀蓄等々をふんだんに盛り込み、読者を飽きさせない一大エンタメに仕立てあげている。八十八のやり過ぎなまでのやり方はいかにも喜劇的。まさに井上ひさしにしか描けないようなエンタメであるなあと感じた。2016/02/24
あかんべ
3
復讐劇であり、八十八は嘘をついて欲の皮の張った男たちをやっつける。決して褒められた行為ではないが、芯にある優しさについ応援したくなる。2013/10/26
いたずらぐりとぐら
1
どこかで聞いたようなとんち話がふんだんに盛り込んである。口ひとつでのし上がっていく様は見ていて痛快。展開のテンポもいいし、一気読みできる。ラストは井上氏らしいラスト。
